【経理担当者向け】経費精算SaaS徹底比較|MF vs freeeで実現する月50時間の工数削減と内部統制

経費精算

「月末になると、大量のレシート糊付け作業に追われる…」(営業担当者)
「部下の経費申請、内容がルール通りか一件ずつチェックするのが大変…」(管理職)
「会計ソフトへの再入力と、紙の原本保管にうんざり…」(経理担当者)

経費精算は、単に「面倒な業務」ではありません。それは、人的ミスによる不正リスク、非効率な作業による生産性の低下、そして月次決算の遅延といった、経営に直接影響を与える重要な課題です。特に、電子帳簿保存法への対応は、もはや避けては通れないコンプライアンス要件となっています。

この記事では、経理担当者の視点から、経費精算SaaSがいかにしてこれらの課題を解決するのかを、具体的な数値を用いた費用対効果シミュレーションで徹底解剖。その上で、国内2大SaaSである「マネーフォワード クラウド経費」と「freee会計」を、プロが重視する3つの軸で比較します。

【コスト試算】SaaS導入で月間53.5時間の工数と13万円のコストを削減

まず、SaaS導入がどれほどのインパクトを持つのか、具体的なモデルケースで見ていきましょう。

  • 企業形態:従業員30名(うち営業10名)のITコンサルティング会社
  • 経費精算件数:月間150件(交通費100件、その他経費50件)
  • 各担当者の時給換算:申請者(営業)2,800円、承認者(管理職)3,500円、経理担当者 2,500円

導入前の月間コスト:見えない人件費が14万円超え

担当者 月間作業時間 人件費
申請者 (10名)
経路検索、Excel入力、レシート糊付など
合計 30時間
(1人あたり3時間)
84,000円
承認者 (2名)
内容確認、規定チェック、押印など
合計 10時間
(1人あたり5時間)
35,000円
経理担当者 (1名)
再チェック、仕訳入力、振込、保管など
合計 20時間 50,000円
合計 60時間 169,000円

導入後の月間コスト:作業時間は6.5時間に激減

担当者 月間作業時間 人件費
申請者 (10名)
ICカード読込、レシート撮影など
合計 5時間
(1人あたり0.5時間)
14,000円
承認者 (2名)
スマホでの承認作業
合計 1時間
(1人あたり0.5時間)
3,500円
経理担当者 (1名)
データ連携、内容の最終確認など
合計 0.5時間 1,250円
合計 6.5時間 18,750円

費用対効果(ROI)の結論

月額2万円程度のSaaS利用料を考慮しても、その費用対効果は絶大です。

月間削減コスト: 169,000円 – (18,750円 + SaaS料20,000円) = 130,250円
月間削減時間: 60時間 – 6.5時間 = 53.5時間

【経理視点での2大SaaS比較】MF vs freee

コスト削減効果は絶大ですが、経理担当者が本当に知りたいのは「自社の運用に耐えうるか」です。ここでは、特に重要な3つの専門軸で比較します。

比較軸1:電子帳簿保存法への対応レベル

レシート原本を破棄し、ペーパーレス化を実現するための「スキャナ保存要件」への対応が鍵となります。

  • マネーフォワード クラウド経費:JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証を複数取得しており、法的要件を高いレベルで満たしています。特に、タイムスタンプの付与や検索要件の確保など、監査にも耐えうる堅牢な設計が特徴です。
  • freee会計:同様にJIIMA認証を取得済み。freeeのファイルボックス機能は、アップロードした証憑の改ざん防止機能も備えており、会計ソフトと一体でシームレスに法的要件を満たせる点が強みです。

比較軸2:仕訳連携の精度と柔軟性

経理担当者の最終的なゴールは「正確な仕訳」です。ここの精度が低いと、結局手作業での修正が発生します。

  • マネーフォワード クラウド経費:AIによる勘定科目の自動提案が非常に強力です。過去の仕訳を学習し、摘要欄の内容からも推測してくれます。また、部門やプロジェクトコードといった補助科目の連携もスムーズで、詳細な会計管理を行いたい企業に向いています。
  • freee会計:経費精算の申請内容が、そのまま会計帳簿にダイレクトに反映される「一体型」ならではの体験が魅力。「取引」として登録されるため、複式簿記の知識がなくてもズレのない帳簿が自動で作成されます。

比較軸3:内部統制の強化機能

不正や規定違反を、人の目に頼らずシステムでどう防ぐか、という視点です。

  • マネーフォワード クラウド経費:承認ワークフローの柔軟性が非常に高いのが特徴です。「〇〇部の、5万円以上の交際費は、部長と経理部長の両方の承認が必要」といった複雑なルートを自由に設定できます。監査証跡(ログ)機能も充実しています。
  • freee会計:申請経路のカスタマイズはもちろん、特定の役職や従業員ごとに経費申請の上限額を設定する機能があります。シンプルな操作性の中で、基本的な内部統制をしっかり効かせたい企業に適しています。

結論:どちらを選ぶべきか?

どちらも非常に優れたSaaSですが、経理担当者の視点で選ぶなら、以下のような基準が考えられます。

  • マネーフォワード クラウド経費がおすすめな企業:
    すでに会計システムがあり、経費精算を独立した専門ツールとして導入したい企業。部門やプロジェクトなど、管理会計を細かく行いたい企業。複雑な承認フローを持つ企業。
  • マネーフォワード クラウドの詳細を見る
  • freee会計がおすすめな企業:
    会計ソフトと経費精算を一体で導入し、バックオフィス全体の効率化を一気に進めたい企業。簿記の知識がない従業員でも、ミスなく運用できる体制を重視する企業。
  • freee会計の詳細を見る

法人カードとの連携はどちらが優れていますか?

どちらのサービスも主要な法人カードとの連携に対応していますが、マネーフォワードは連携できる金融機関の数が非常に多いことで知られています。地方銀行や信用金庫など、幅広いカードに対応できる可能性が高いのはマネーフォワードです。

電子帳簿保存法に対応するためには、追加料金が必要ですか?

サービスによります。多くのSaaSでは、スキャナ保存要件を満たすためのタイムスタンプ機能などが、標準プランまたは上位プランに含まれています。導入前に、自社が必要とする法的要件が、検討中のプランでカバーされているか必ず確認しましょう。

導入時の初期設定は、経理担当者が一人でできますか?

はい、可能です。従業員情報や勘定科目、経費規定などをCSVファイルで一括登録できるため、比較的スムーズに進められます。ただし、全社展開を成功させるためには、導入前に申請者や承認者向けに簡単な説明会を開き、操作方法やメリットを共有することが非常に重要です。

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