「導入した電子契約サービス、監査で否認されたらどうしよう…」
「法務部から『この契約書の証拠能力は本当に大丈夫か?』と質問されている…」
電子契約の導入において、手軽さやコストだけでサービスを選んでしまうのは非常に危険です。特に、法務部門や監査法人が見るのは「その電子契約が、万が一の際に法的な証拠として通用するか」という一点に尽きます。
この記事では、電子契約が法的に有効と認められるための必須要件を、企業の担当者向けに分かりやすいチェックリスト形式で解説します。自社で検討中のサービスがこれらの要件を満たしているか、ぜひ確認してみてください。
【大前提】電子契約の法的根拠とは?
電子契約の有効性は、主に「電子署名法」という法律によって定められています。この法律は、電子文書が法的に有効な証拠と認められるための2つの重要な要件を定義しています。
- 本人性の担保:その契約書が、間違いなく本人によって作成・同意されたこと。
- 非改ざん性の担保:その契約書が、作成されてから一度も改ざんされていないこと。
これから紹介するチェックリストは、この2つの要件を具体的にどう満たすか、という視点で構成されています。
法的要件を満たすための必須項目チェックリスト
□ 1. 本人性の担保(誰が契約したか)
- 電子署名が付与されているか?
契約者本人であることを示すための電子的な署名です。多くのサービスでは、メール認証などを基にした「立会人型電子署名」が用いられます。これが法的効力の基本です。 - 二要素認証など、より強固な本人確認手段があるか?
メールアドレスだけでなく、SMS(ショートメッセージ)や専用アプリなど、2つ以上の要素で本人確認を行うことで、なりすましリスクを大幅に低減できます。重要な契約には必須の機能です。
□ 2. 非改ざん性の担保(改ざんされていないか)
- 認定タイムスタンプが付与されているか?
「その時刻に、その文書が存在し、それ以降改ざんされていないこと」を第三者機関が証明するものです。電子署名とタイムスタンプは、法的な証拠能力を担保する上で車の両輪とも言える重要な技術です。 - 長期署名に対応しているか?
タイムスタンプの有効期間は最長10年です。契約書を10年以上保管する場合、有効期間を延長する「長期署名」の仕組みに対応しているサービスかどうかも確認が必要です。
□ 3. 見読性・検索性の確保(いつでも探せる・読めるか)
- 契約日の範囲、取引先、金額で検索できるか?
これは「電子帳簿保存法」で定められている要件です。税務調査などで特定の契約書をすぐに提示できない場合、問題となる可能性があります。 - サービスが終了した場合のデータ保全策は明記されているか?
万が一、利用している電子契約サービスが終了した場合でも、締結済みの契約データをダウンロードし、その有効性を検証できる仕組みがあるかを確認しておきましょう。
チェックリストを満たすサービスを選ぼう
上記のチェックリストは、企業が安心して電子契約を導入するための最低限の要件です。安価なサービスの中には、タイムスタンプが付与されないなど、一部の要件を満たしていないものも存在するため注意が必要です。
例えば、当サイトで紹介しているベクターサインやKANBEI SIGNといったサービスは、電子署名法や電子帳簿保存法の要件をクリアした設計になっています。
- ベクターサイン:無料で始められるプランでも、電子署名とタイムスタンプの基本要件をしっかり満たしています。まずはスモールスタートしたい企業におすすめです。
- KANBEI SIGN:検索機能や文書管理機能が充実しており、法務・監査の視点からも安心して利用できる体制を整えています。
自社の法務・セキュリティポリシーと照らし合わせながら、これらの要件を確実に満たす信頼性の高いサービスを選びましょう。
電子署名とタイムスタンプは、両方とも必須ですか?
はい、法的な証拠能力を確実なものにするためには、両方とも必須と考えるのが安全です。「誰が契約したか」を証明するのが電子署名、「いつ、何が契約され、改ざんされていないか」を証明するのがタイムスタンプの役割です。
「立会人型」と「当事者型」の違いは何ですか?
「立会人型(契約印タイプ)」は、サービス提供事業者の署名を付与する形で、メール認証などで手軽に利用できます。多くのSaaS型サービスがこれを採用しています。「当事者型」は、個人の電子証明書(マイナンバーカード等)を用いて署名する、より厳格な方式です。
電子契約書は何年間、保存する必要がありますか?
法人税法上、契約書などの書類は原則として7年間の保存が義務付けられています。会社法では10年間と定められている書類もあるため、自社の規定に合わせて、少なくとも10年間は安全に保管できる体制を整えるのが一般的です。
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