【実例で解説】請求書発行の自動化|月12時間→2時間へ!コスト試算で見る費用対効果

請求書発行

「請求書発行システムって、導入するほど請求書の数も多くないし、Excelで十分じゃないか?」
「月額数千円のコストを払ってまで、本当に元は取れるんだろうか?」

多くの経営者や経理担当者は、請求書発行業務を「毎月のルーチンワーク」と捉え、そこに潜む“見えないコスト”を見過ごしがちです。しかし、この業務を自動化することは、単なる時短だけでなく、会社のキャッシュフローや従業員の生産性まで改善する、極めて費用対効果の高い投資となり得ます。

この記事では、具体的なモデルケースを基に、請求書発行の自動化がもたらすコスト削減効果を1円単位で徹底的にシミュレーション。導入前後の業務を比較し、その驚くべき費用対効果を明らかにします。

【モデルケース】今回のシミュレーションの前提条件

  • 企業形態:従業員3名のデザイン会社
  • 請求書発行枚数:月間30枚(取引先20社)
  • 担当者:バックオフィス担当の正社員1名
  • 担当者の時給換算:2,500円(月給40万円程度を想定)

【導入前】手作業による請求書発行の“本当の”コスト

まずは、Excelと手作業で請求書を発行している場合の、月間コストを算出してみましょう。

1. 作業時間と人件費

請求書発行は、ただ請求書を作るだけの作業ではありません。以下のプロセスに分解し、それぞれにかかる時間を算出します。

作業プロセス 1枚あたりの作業時間 月間合計時間(30枚)
① 請求内容の確認・Excel入力 10分 300分
② 上長へのメール承認依頼・確認 5分 150分
③ 印刷・社印の押印・封入作業 4分 120分
④ 宛名書き・切手貼り・投函 2分 60分
⑤ 入金確認・Excelでの消込管理 3分 90分
合計 24分 720分 (12時間)

このモデルケースでは、請求書業務全体で月間12時間もの時間がかかっていることが分かります。これを人件費に換算すると…

12時間 × 時給2,500円 = 30,000円

2. 印刷・郵送にかかる経費

次に、物理的な経費を計算します。

  • 請求書用紙・封筒・印刷代:約20円/通
  • 郵便料金(切手代):84円/通

(20円 + 84円) × 30枚 = 3,120円

【導入前】月間合計コスト

人件費と経費を合計すると、手作業による請求書発行の月間コストが算出されます。

30,000円(人件費) + 3,120円(経費)= 月額 33,120円

【導入後】請求書発行システム利用時のコスト

次に、月額5,000円程度の標準的な請求書発行システムを導入した場合のコストを見ていきましょう。

1. 効率化された作業時間と人件費

多くのプロセスが自動化、または半自動化されます。

作業プロセス 1枚あたりの作業時間 月間合計時間(30枚)
① 顧客データから請求書を自動生成 2分 60分
② ワークフロー機能でシステム内承認 1分 30分
③ メールでの自動送付 0.5分 15分
④ 郵送代行オプションの利用 0分 0分
⑤ 会計ソフト連携による自動消込 0.5分 15分
合計 4分 120分 (2時間)

作業時間は劇的に削減され、月間わずか2時間になりました。人件費に換算すると…

2時間 × 時給2,500円 = 5,000円

2. システム利用料と経費

  • システム月額利用料:5,000円(想定)
  • 印刷・郵送費:0円

【導入後】月間合計コスト

5,000円(人件費) + 5,000円(システム料) = 月額 10,000円

【結論】費用対効果の分析:月額2万円以上のコスト削減!

両者を比較すると、その費用対効果は一目瞭然です。

  導入前(手作業) 導入後(システム) 削減効果
月間作業時間 12時間 2時間 -10時間
月間コスト 33,120円 10,000円 -23,120円

システム利用料を支払ってもなお、毎月23,120円、年間では277,440円もの直接的なコスト削減が実現できます。削減できた月10時間で、担当者はより付加価値の高い業務に集中できます。

数値化できない「見えないコスト」の削減効果

さらに、自動化は数値以上の価値をもたらします。

  • 請求ミス・送付漏れの撲滅:人的ミスがなくなり、再発行の手間や顧客からの信頼低下を防ぎます。
  • 入金サイクルの高速化:請求書が即時に相手に届くため、入金までの期間が短縮され、キャッシュフローが改善します。
  • 法改正への自動対応:インボイス制度や電子帳簿保存法など、面倒な法改正にもシステムが自動で対応してくれます。

自動化を始めるためのおすすめツール

請求書発行の自動化は、会計ソフトに搭載されている機能から始めるのが最もスムーズです。

  • freee会計
    見積書から請求書、そして受注後の入金管理まで、一連の流れをシームレスに管理できるのが強みです。
  • マネーフォワード クラウド請求書
    会計、経費精算など他のMFクラウドシリーズとの連携が強力。バックオフィス全体の効率化を目指せます。

請求書発行業務は、コストセンターではなく、企業の生産性を向上させるための重要な改善ポイントです。ぜひこのシミュレーションを参考に、自社の費用対効果を計算してみてください。

請求書の発行枚数が月10枚程度でも、導入する価値はありますか?

はい、十分に価値はあります。発行枚数が少なくても、人的ミスの防止や法改正への対応、入金サイクルの短縮といったメリットは享受できます。また、多くのサービスには月額1,000円程度の安価なプランがあり、小規模な利用でも十分に元が取れる設計になっています。

取引先が紙の請求書を希望する場合はどうすればいいですか?

多くの請求書発行システムには「郵送代行サービス」がオプションで用意されています。システム上で郵送を指示するだけで、印刷・封入・投函を代行してくれるため、自社で作業する必要はありません。

導入で最も大変なことは何ですか?

最初の「マスタ登録」です。取引先情報や商品・サービス情報をシステムに登録する初期設定に少し手間がかかります。しかし、CSVファイルで一括インポートできる機能を使えば、負担は軽減できます。この最初の設定さえ乗り越えれば、翌月からは劇的に業務が楽になります。

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