【初心者向け】四半期決算の準備完全ガイド|スケジュールとタスクリスト

会計・経理

「うちみたいな中小企業に、四半期決算なんて関係あるの?」
「年に一度の確定申告だけで手一杯なのに、どうやって準備すれば…」

多くの経営者や経理担当者が、四半期決算に対してこのような疑問や不安を抱えています。しかし、適切な準備とスケジュール管理を行えば、四半期決算は決して難しいものではありません。むしろ、会社の経営状況をタイムリーに把握し、次の戦略を立てるための重要な羅針盤となります。

この記事では、はじめて四半期決算に取り組む中小企業や個人事業主の方に向けて、具体的なスケジュールと実践的なチェックリストを分かりやすく解説します。

なぜ中小企業にも四半期決算が重要なのか?

上場企業には義務付けられている四半期決算ですが、非上場の中小企業にとっては任意です。しかし、任意だからこそ、実施することで多くのメリットが得られます。

  • タイムリーな経営判断:3ヶ月ごとに業績を把握することで、問題の早期発見や迅速な軌道修正が可能になります。
  • 金融機関からの信頼向上:定期的に経営状況を報告できる体制は、融資審査などで有利に働くことがあります。
  • 年度末の負担軽減:年間の決算業務が4回に分散されるため、年度末の繁忙を大幅に緩和できます。

四半期決算の準備スケジュール(モデル例)

ここでは、3月、6月、9月、12月を決算月とする場合のスケジュール例をご紹介します。自社の状況に合わせて調整してください。

決算月の前月(例:5月、8月、11月、2月)

  • 月次決算の早期確定:決算対象期間の最初の2ヶ月分(例:4月、5月)の月次決算を早めに確定させます。
  • 取引先への協力依頼:請求書や納品書の早期提出を取引先にお願いしておきます。

決算月(例:6月、9月、12月、3月)

  • 最終月の月次決算:決算月の月次決算作業に着手します。
  • 現預金・売掛金・買掛金の残高確認:帳簿上の残高と実際の残高が一致しているかを確認します。

決算月の翌月(例:7月、10月、1月、4月)

  • 四半期決算整理仕訳:減価償却費の計上や経過勘定の整理など、四半期特有の仕訳を入力します。
  • 試算表の作成とレビュー:決算整理後の試算表を作成し、経営陣や税理士と内容をレビューします。
  • 報告資料の作成:株主や金融機関向けの報告資料を作成します。

【コピペで使える】四半期決算のチェックリスト

タスクの抜け漏れを防ぐために、以下のチェックリストをご活用ください。

□ 事前準備

  • 請求書、領収書、契約書などの証憑書類はすべて揃っているか
  • 現金・預金の残高は実際と一致しているか(銀行勘定調整表の作成)
  • 売掛金の残高と滞留状況は確認したか
  • 買掛金の残高と支払予定は確認したか
  • 棚卸資産(在庫)の実地棚卸と評価は完了したか

□ 決算整理仕訳

  • 減価償却費は正しく計上したか
  • 貸倒引当金の設定・洗替は行ったか
  • 前払費用・未払費用・前受収益・未収収益は計上したか
  • 法人税、住民税、事業税の費用計上は行ったか

□ 資料作成と報告

  • 貸借対照表(B/S)は作成したか
  • 損益計算書(P/L)は作成したか
  • キャッシュ・フロー計算書(C/F)は作成したか(任意)
  • 前回の決算数値や経営計画との比較分析は行ったか

四半期決算を効率化するクラウド会計ソフト

ここまで見てきたように、四半期決算には多くのタスクが伴います。これらの作業を手作業やExcelで行うのは非常に大変で、ミスも起こりがちです。そこでおすすめなのが、クラウド会計ソフトの活用です。

日々の取引を登録しておくだけで、決算に必要な書類の多くが自動で作成され、月次決算もスムーズに完了します。結果として、四半期決算にかかる時間を大幅に短縮できます。

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まとめ:計画的な準備で四半期決算を乗り切ろう

四半期決算は、事前のスケジュール管理とチェックリストの活用が成功のカギです。最初は戸惑うかもしれませんが、一度サイクルを確立すれば、会社の経営状況を的確に把握するための強力な武器になります。

ぜひこの記事を参考に、自社の四半期決算の準備を進めてみてください。

中小企業でも四半期決算はやるべきですか?

義務ではありませんが、タイムリーな経営状況の把握、金融機関からの信頼向上、年度末の業務負担軽減などの大きなメリットがあります。

四半期決算の準備はいつから始めればいいですか?

決算月の1ヶ月前から準備を始めるのが一般的です。月次決算を早めに確定させ、取引先に書類の提出を依頼するなど、計画的に進めましょう。

一番大変な作業は何ですか?

証憑書類の整理や、売掛金・買掛金の残高確認など、日々の取引データと実際の数値を一致させる作業に時間がかかることが多いです。クラウド会計ソフトを導入すると、これらの作業の多くを自動化できます。

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