「長年、インストール型の弥生会計を使っているが、そろそろクラウドに移行したい…」
「リモートワークに対応できないし、法改正のたびにアップデートするのが面倒だ…」
「でも、freeeやマネーフォワードに乗り換えたら、過去の会計データはどうなる?全部手入力で入れ直すの?」
これは、多くの企業の経理担当者や、ベテランの個人事業主が抱える、非常に深刻な悩みです。クラウド会計のメリット(自動化、リモート対応、法改正への自動対応)は理解しつつも、「過去のデータ移行」という、あまりにも高く見える技術的なハードルが、DXへの第一歩を阻んでいます。しかし、その心配は、もはや過去のものです。
この記事では、単なるSaaSの機能比較ではありません。デスクトップ会計ソフト(特にインストール型弥生)から、`freee会計`や`マネーフォワード クラウド会計`へ、いかにして安全かつ効率的に「お引越し」できるか。そのための具体的なデータ移行の手順と、各社が提供する移行ツールの実力を、プロの視点で徹底解説します。この記事を読めば、乗り換えの不安は確信に変わるはずです。
【論理的根拠】なぜ今、インストール型からクラウドへ移行すべきなのか?
まず、なぜ「データ移行」という手間をかけてでも、クラウドへ移行すべきなのか。その3つの経営的な理由を明確にします。
- 1. 法改正への「自動対応」:インボイス制度や電子帳簿保存法など、毎年のように変わる法制度。インストール型は、その都度、手動でのアップデート作業や買い替えが必要です。クラウド会計なら、**常に最新の法令に自動でアップデート**され、法対応漏れのリスクがゼロになります。
- 2. リモートワークへの完全対応:インストール型ソフトは、そのPCがなければ業務ができません。クラウド会計なら、インターネットさえあれば、いつでも、どこでも(自宅、出張先、顧問税理士の事務所からでも)最新の会計データにアクセスし、業務を継続できます。
- 3. 業務の「自動化」レベルの違い:銀行明細やクレジットカードの自動取り込み(API連携)は、もはやクラウド会計の常識です。日々の記帳業務が劇的に削減され、経理担当者は、より付加価値の高い「経営分析」や「資金繰り管理」に時間を使えるようになります。
【実践ガイド】弥生会計からのデータ移行、2つの選択肢
最大の障壁である「過去データの移行」。`freee`と`マネーフォワード`は、この課題を解決するために、それぞれ強力なツールと手法を用意しています。
選択肢1:freee会計の「データ移行」機能(仕訳・残高・マスタの移行)
`freee`は、`弥生会計`(やよいの青色申告含む)からの乗り換えを強力にサポートしています。
- データの書き出し(弥生側):まず、`弥生会計`の「仕訳日記帳」や「残高試算表」、「取引先マスタ」などを、指定された形式でCSVファイルまたはテキストファイルとして書き出します。
- データの取り込み(freee側):`freee`の「データ移行」メニューから、書き出したファイルを選択し、アップロードします。
- 自動変換と確認:`freee`が、弥生独自の勘定科目をfreeeの科目に自動でマッピング(変換)してくれます。利用者は、その変換結果を確認し、微調整するだけで、過去の仕訳データや期首残高の移行が完了します。
特徴:簿記の知識がなくても、ガイドに従って進めるだけで、必要なデータの多くを移行できるように設計されています。
freee会計選択肢2:マネーフォワード クラウドの「弥生インポート」機能(仕訳の移行)
`マネーフォワード`も、`弥生会計`からの仕訳データ取り込みに、専用の機能を提供しています。
- データの書き出し(弥生側):`弥生会計`の「仕訳日記帳」を、指定の形式(弥生形式)でテキストファイルとして書き出します。
- データの取り込み(MF側):`マネーフォワード`の「弥生インポート」メニューから、書き出したファイルを選択してアップロードします。
- 自動仕訳と確認:アップロードされた仕訳データが、`マネーフォワード`の会計帳簿に自動で反映されます。
特徴:`マネーフォワード`は、`弥生会計`と勘定科目の体系が比較的近いため、データ変換のマッピング作業がスムーズに進む傾向があります。簿記の知識がある経理担当者にとっては、非常に分かりやすい移行プロセスです。
マネーフォワード【プロの視点】移行時の注意点と、成功させるためのコツ
注意点1:移行できるのは「データ」だけ
移行できるのは、あくまで「仕訳データ」「残高」「取引先マスタ」といった、会計データのみです。インストール型弥生で作成した**請求書のレイアウト**や、**給与計算の設定**などは、移行できません。これらは、クラウド会計ソフト側で、新しく設定し直す必要があります。
注意点2:移行のベストタイミングは「期首(新年度の開始日)」
最もスムーズで、ミスのない移行タイミングは、**新しい会計年度が始まる「期首」**です。前期の決算が`弥生会計`で完了した時点で、「期首残高」を新しいクラウド会計ソフトに設定し、新年度の取引からは、すべて新しいソフトで記帳を開始します。これにより、期中でのデータ不整合のリスクを完全に回避できます。
コツ:無理に「全期間」を移行しようとしない
「過去5年分の仕訳データを、すべて移行しなければ…」と考える必要はありません。税務調査などで必要な過去のデータは、**古い`弥生会計`のデータを読み取り専用としてPCに残しておく**か、**PDFや紙で出力して保管**しておけば十分です。新しいソフトに必要なのは、あくまで**「前期末の残高(=今期の期首残高)」**と「取引先マスタ」です。過去の仕訳データ移行にこだわりすぎず、「今期から、新しいきれいな帳簿を作る」と割り切ることも、DXを成功させる重要なマインドセットです。
[ここにスプレッドシートF列「やよいの青色申告オンライン」のHTMLコードを貼り付け(※弥生からの乗り換えを検討するユーザーが、弥生のクラウド版も比較検討できるように提示)]
結論:データ移行は「障壁」ではなく「最初のDX」である
クラウド会計への乗り換えは、単なるソフトの変更ではありません。それは、法改正への自動対応、リモートワークの実現、そして日々の記帳業務の自動化といった、**会社の生産性を根本から変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の第一歩**です。`freee`や`マネーフォワード`が提供する強力な移行サポートを活用すれば、「データ移行」はもはや高い障壁ではありません。この機会を逃さず、古い業務プロセスから脱却し、新しい経営基盤を構築しましょう。
データ移行が不安です。サポートはしてもらえますか?
はい、freeeもマネーフォワードも、乗り換えユーザー向けの専用サポート窓口や、詳細な移行マニュアル(動画含む)を用意しています。また、有償にはなりますが、データ移行そのものを代行してくれる専門のパートナー(税理士や導入支援事業者)を紹介してもらうことも可能です。
インストール型の弥生会計と、クラウド版の弥生会計(弥生会計オンライン)への移行はどう違いますか?
同じ弥生シリーズであっても、インストール型とクラウド版は、根本的に異なるソフトウェアです。そのため、弥生会計オンラインへ移行する場合も、freeeやMFへ移行するのと同様に、CSVなどを使ったデータ移行作業が必要になります。「同じ弥生だから簡単」というわけではない点に注意が必要です。
顧問税理士が古いソフトにしか対応していません。どうすればいいですか?
これは非常に重要な問題です。まずは、顧問税理士にクラウド会計(freeeやMF)のデータを参照できるか確認しましょう。多くの税理士は既に対応済みです。もし、どうしても対応を拒否されるようであれば、それは税理士を変更する良い機会かもしれません。クラウド会計に対応できる、新しい税理士を「税理士ドットコム」などで探すことをお勧めします。
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